違法車両続出!軽車両ベースキッチンカーについて

フードトラック、キッチンカーの規格基準について

昨今増えている軽トラックベースのキッチンカー(フードトラック)の適法性について説明をしていきます。現在のところ軽トラックの荷台を活用している黄色ナンバーのキッチンカー(フードトラック)は、ほぼ違法改造車両です。このようなケースは沖縄県内でも散見されています。

早速ですがなぜ違法な不正改造車両になってしまうかについて説明をしていきます。

軽自動車を改造した上記のようなタイプのキッチンカーを見かけたことがあるかと思います。このタイプで黄色ナンバーで営業をしている場合、不正改造車両となっているケースがほとんどです。理由は以下のポイントです。

・軽自動車の規格基準を満たしていない。

・積載物と言っているのに簡易取り付けがされていない。

・構造変更の届を出していない。

それではひとつづつ項目ごとにもう少し詳しく説明をしていきます。

・軽自動車の規格基準を満たしていない。

現在の軽自動車の規格は、排気量660cc以下、長さ3.4m以下幅1.48m以下、高さ2.0m以下の三輪および四輪自動車となっています。

それだと上記写真のようなキッチンカー(フードトラック)はそもそも基準からずれているから車検にも通らないのでは?と思う方もいるかもしれません。

ところがこのような形状で車検を通しているキッチンカー(フードトラック)はたくさんあります。それではどのようにして車検を通しているのでしょう?

それはキッチンカー(フードトラック)のキッチンの部分を積載物としてとして考え、車検を通す際には積載物(キッチン)を外し、「標準設備(あおりの部分などを設置)」に付け替え、車検を通すというやり方をしています。

つまりこれは

不正改造車両

になってしまいます。

軽トラックにおける最大積載寸法は、幅1.48mまで、長さ3.4mまで、高さは2mまでです。 ちなみに、この寸法は乗用車を含む全ての軽自動車の最大規格と一致します。 この寸法を超えると、乗用車であっても軽自動車の規格から外れてしまいます。

換気口をはみ出して設置していたり、オーニング、看板の設置方法などで基準を守っていないものはもちろん違法改造車となります。

こういったケース以外でも違法改造車にあたる事があるため後述いたします。

・積載物と言っているのに簡易取り付けがされていない。

積載物(荷物)の規定ではサイズのみではなく固定方法についても規定があります。

積載物として認められるものは簡易取付されているものと限定されています。

・簡易取付の条件

工具を使用せず取り付けできる(蝶ねじ、紐等)

上記の条件でキッチン部分を設置されている場合は積載物と判断することは可能ですが、ほとんどのキッチンカーではそのような使用になっていないのが現状です。

工具を使用して(ボルトやナットなど)固定的取り付けをしているものか、溶接やリベットなどにより恒久的取り付けをしているものばかりです。

つまりこのようなキッチンカー(フードトラック)も

不正改造車両

となってしまいます。

・構造変更の届を出していない。

特殊な目的行為のための設備が社枠又は車体に固定的もしくは恒久的取付がされている場合、構造変更をしなくてはなりません。

それではその根拠となる記載について解説をしていきます。

特殊用途自動車(8ナンバー)の構造要件の自動車の用途区分について

6 自動車の用途等の区分に関わる細部取扱い

注7 主たる使用目的遂行に必要な構造及び装置を有し

「車枠又は車体に、特殊な目的遂行の為の設備(「自動車部品を装着した場合の構造変更検査時等における取り扱い(依命通達)」)」(平成7年11月16日付け自技第234号、自製第262号)の指定部品は「特殊な目的遂行のための設備」には該当しないものとする。)がボルト、リベット、接着剤又は溶接により確実に固定されているものをいう。

上記記載によれば、トラックを改造した軽車両ベースのキッチンカー(フードトラック)はすべて構造変更の届を出さなくてはならないこととなります。

上記のような正しい車両の知識を持たない業者によって作られた、違法改造車両のキッチンカー(フードトラック)を使用した場合、道路交通法により以下のような罰則を受けることとなります。

不正改造の禁止と不正改造車に対する整備命令

(改正道路運送車両法からの抜粋)

 「道路運送車両法の一部を改正する法律」(平成14年法律第89号)が平成15年4月1日より施行されています。 

1.不正改造行為そのものを禁止

 自動車を道路運送車両法の保安基準に適合しなくなるように改造する行為(不正改造)を禁止します。
 違反した場合には、最長6ケ月以下の懲役又は30万円以下の罰金。

2.不正改造車に対する整備命令制度を強化

整備命令標章

 不正改造車を確実に適正な状態に整備させるため、街頭検査等で不正改造車に対して発令する整備命令を強化し、発令後15日以内に整備した上で運輸支局なとに現車提示させることを自動車の使用者に命令し、その不正改造車に整備命令標章(ステッカー)を貼付けします。
 15日以内に現車提示をしない場合又は不正にステッカーを剥かした場合には、一定期間(最大6ケ月)自動車の使用を停止し、自動車検査証及びナンバープレートを没収。

※国土交通省及び不正改造防止推進協議会資料より抜粋

このように違法な不正改造車両になってしまったまま営業をしてしまうと、民間車検場で車検を受けることができなる可能性や事故等が発生した場合、車検証との相違から保険が適用されなくなる可能性など、トラブルのもととなることが懸念されます。

対応策について相談したい事業者の皆様へ

沖縄県フードトラック協会では、沖縄県内で法令を遵守した安心安全なフードトラック及びキッチンカーの営業基準を遵守すべく、県内の事業者をサポートしていきます。

もし違法な不正改造車両で営業をしてしまっているかもしれない、と認識された事業者でどこに相談したらよいかわからないという場合はお問い合わせをお待ちしております。

適法となるよう構造変更の手続きなどについてもご案内をいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です